第6回手話大学習会が開催されました

9月19日(日)13時30分から伊豆長岡おおとり荘において伊豆ろうあ協会主催第6回手話大学習会『ろう者に伝わる手話〜表情、CL、様々な表現を学ぼう〜』が開催されました。

講師はNHK Eテレビ「みんなの手話」で講師アシスタントとして出演中の那須善子氏。

今回はコロナ禍中のため ZOOMも併用しての開催でした。

先生は家庭ではサインネーム・ホームサイン中心の生活からろう學校に入った時に手話の違いにカルチャーショックを受けたことを紹介

ろう通訳には生活の中・病院・質問の仕方など工夫が必要で、

『千客万来』

『お寺の鐘がなる』

『見る』

『人を表すCL』

をテーマにCL表現の仕方を紹介

また日本語の『走る』の表現は、

1 人が走る

2 馬が走る

3 武器を捨てて走る

4 非行に走る

のそれぞれで異なることを実演、そして

『節電』

『服がぬれますよ』

のCLを実演して紹介

口形によって意味が変わってくる例として

『3本も倒れた』

『3本しか倒れなかった』

『3本だけ倒れた』

も実際に表現して紹介

ろう高齢者の手話の特徴をビデオで紹介して解説

最後に、

・顔の表情、うなずきにも意味がある

・日本語にこだわらず、文の意味を掴んで

・頭の中でイメージを描く

・一つのことばに、手話表現がいくつかある

・自分の引き出しを作る

・表現だけでなく読み取る力も必要

・相手に伝えたいという気持ちが大事

と強調されました

その後、参加者からの質疑応答があり、一つ一つ丁寧に答えて下さいました

15時30分までの予定でしたが、終了した時間は16時を過ぎており、参加者にとって大きな学びとなる学習会でした

 

以下はオンライン手話大学の記事からの参考資料です

「CL」とは、「Classifier(クラシファイアー)(類辞)」の略で、手話特有の表現方法です。言い換えると【ある観点で同じ仲間に分類する、あるいは分類した仲間】という意味とも捉えることができます。

手話には、「厚いもの」「薄いもの」「長いもの」「短いもの」などと表現する方法があります。これは世界の手話における共通の表現方法です。

ろう者は会話の中で固定語彙を使う割合はCLよりも少ないといわれています。

地域や年齢によって使う手話が異なる中で、ろう者同士が意思疎通できるのはCLを多く活用しているからだと思います。

固定語彙とは、手話の本に載っている言葉のこと。

何度も言いますが、ろう者の会話は固定語彙だけに頼っておらず、固定語彙を知らなくても、CLを活用して意思疎通しています。

新しい固定語彙が定められてもろう者の中に浸透することはあまりないように感じます。ろう者にとってわかりにくいものも多いからです。

また自分の「語彙」が少ないからと手話単語ばかり覚えている学習者を見かけますが、いわゆる手話単語を覚えるだけでは、ろう者が使う手話にはほど遠く、【伝わらない手話】になってしまいがちです。

皆さんがろう者とコミニュケーションをとるために手話を学んでいるのであれば、ろう者が使う手話に近づける必要があるのではないでしょうか?